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JAR ご挨拶

人工関節登録調査は、日本整形外科学会インプラント委員会より日本人工関節学会に移行いたしました。

変形性関節症や関節リウマチなどの関節疾患に対する人工関節手術の有用性についてはもはや論を待たず、わが国においても全国の施設で年間約10万人以上の方がこの手術を受けておられます。

しかしながらこの手術の成績判定には10年以上に及ぶ長期の追跡調査が必要であり、個々の整形外科医の個人的努力によるfollow-upでは症例数・経過年数は充分なものとはならず、現状において人工関節のデザインの優劣、適切な固定法の選択などを大規模調査するにはおのずから限界があります。また、日本人工関節学会においてもわが国における人工関節手術の正確な現状を把握し、エビデンスに基づいた手術のガイドラインを国民に示すことが求められております。

すでにSweden、Norway、Finland、Canada、Australia、New Zealand、Englandでは各国の実状にあった national registry が発足しており、それらに集積された各国における横断的かつ縦断的な登録データの分析から、固定法の選択、適切な手術手技、不良なインプラント製品などの情報が臨床現場に feed back されておりnational registry 制度の有用性は確かなところです。また、日本人工関節学会自身が正確な outcome data を持つことは、平成14年4月の診療報酬改定で行われた「施設基準」のような非科学的医療政策を回避することにも役立ちましょう。

わが国の国情にあったArthroplasty Registryの確立と運営を目的として、日本整形外科学会インプラント委員会において先行トライアル調査を行ってきましたが、拡大トライアルの運営においてはその規模・登録データの内容・登録方法などに日本にあった内容が検討され、このたび本調査の全国規模での実施にむけて日本人工関節学会に移行することといたしました。わが国の病院の多さからある程度の症例集積が可能な施設(全国80大学および人工関節置換術件数上位50施設)に参加を要請し、また登録データの緻密化は compliance の低下の懸念もあることから登録データは簡略化いたしました。登録施設の作業内容は、患者さまの同意書を得ること、手術後に手術室で登録シートに記入し、パッケージのラベルを貼ること、それをFAX等により登録事務局に送信すること、という簡単なものです。まずは始めること、そして持続することを運営の基本方針といたしました。

人工関節手術を specialtyとする日本人工関節学会会員の熱意にこの事業の成否がかかっております。どうぞ御参加いただけますようお願いいたします。

平成23年4月1日

日本人工関節学会
中村 孝志

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