よくある質問

ここでは、人工関節に関するよくあるご質問を掲載しております。

手術費用はどれくらいかかるのでしょうか?

高額療養費制度を利用すれば少ない自己負担額で手術を受けられます。
年齢や所得により自己負担限度額が決まっていますので、詳しくは厚生労働省のホームページを参照ください。

人工関節はどれくらいの耐久年数があるのでしょうか?「10年しか持たない」等の噂を聞くのですが本当ですか?

人工関節の入れ替え手術が必要となる患者さんはそれほど多くはありません。例えば人工股関節手術の場合入れ替え手術が必要となる患者さんは、手術後20年が経過した段階で6人に1人程度、術後30年で4人に1人程度、また人工膝関節手術でも術後20年でやはり6人に1人程度等と報告されます(文献)。ただし関節の破壊状況や手術部位などにより耐久年数は異なりますので、詳しくは担当医師にご確認ください。

文献

  1. 1)Mullins MM et al. Thirty-year results of a prospective study of Charnley total hip arthroplasty by the posterior approach. J Arthroplasty 2007: 22(6): 833-9
  2. 2)Adbel MP et al. Effect of postoperative mechanical axis alignment on survival and functional outcomes of modern total knee arthroplasties with cement. J Bone Joint Surg Am 2018:100:472-8

人工関節術後の合併症にはどのようなものがあるのでしょうか?

人工関節手術では数パーセントの合併症が生じます。代表的なものとして創部感染、血栓塞栓症(いわゆるエコノミークラス症候群)、神経・血管損傷、人工関節周囲の骨折、関節脱臼等が挙げられます。

何歳くらいまで手術を受けられるのでしょうか?90歳代だと手術は無理なのでしょうか?

関節の痛みのために日常生活に支障が出るようであれば、90歳代であっても手術を検討することは十分ありえます。ただし高齢者の場合には事前に内科医、麻酔科医等と安全に手術が可能かどうか相談の上手術を行います。全身状態・リスク次第では近隣の総合病院等での手術を勧められる可能性もあります。

金属アレルギーがあるのですが、手術を受けられるでしょうか?

金属アレルギーの原因として最も多いのがニッケル、次いでコバルトとクロムとされます。患者さんのアレルギー状況に応じて、セラミック、チタン合金、ポリエチレン等の組み合わせで多くの場合対応可能です。手術前に必ず金属アレルギーの既往があることを担当医師に伝えてください。

人工関節術後にスポーツをしてもよいのでしょうか?

水泳、ゴルフ、自転車、ハイキング等は人工関節術後に行っても大部分の患者さんでは問題ないと考えられています。インパクト(衝撃)の強い、バレーボール、バスケットボール、マラソン(ジョギング)等のスポーツを行うことに関しては担当医師にご確認ください。

人工関節手術後にMRI検査はできますか?

基本的には人工関節術後のMRI検査は、人工関節が入っていない部位、入っている部位とも問題ないとされています(人工関節が入っている、あるいは近い部位のMRIでは多少画像の質が悪くなる可能性はあります)。しかし、人工股関節である特定の機種を用いて行われた手術においてはMRI検査時に注意が必要とも報告されています。詳しくは担当医師にご確認ください。

人工関節術後に定期検診は必要でしょうか?

人工関節手術後には自覚症状のない合併症もあり、定期検診をしてレントゲン撮影をしないと異常を生じているかどうか不明なことがあります。長期耐用性を確認するためにも年に一度の定期検診は大切です。

空港の保安検査:金属探知機を通るときに音が鳴りますか?

保安検査では警報が鳴る可能性があります。その場合には係員の方が規定に従いボディーチェックを行いますが、それ以上の検査が求められることは基本的にありません。保安検査をチェックなしに通過できるような証明書等はありません。